介護の現場にほとんど関わったことのなかった私が、初めて「入所判定委員会」に参加したときのこと。
正直、「なんのこっちゃ?」という気持ちでいっぱいでした。
昨年、施設長として初めての年。
不思議と、ご逝去される方が続き、自分は“死神”なのでは…なんて思ってしまうほどの出来事もありました。
入所される方も次々と変わり、顔と名前がなかなか一致せず、バタバタと過ぎていく毎日。
そんなときに、ある職員さんから言われたひと言──
「昨年(一昨年)は亡くなった方、ゼロでしたね〜」
……いや、それ言われたら自分のせいかと思っちゃうじゃないですか(涙)w
もちろん、誰一人として命を落としてほしいとは思っていません。
みなさんに、少しでも長く、穏やかに過ごしていただけるように。
そう願う気持ちは人一倍ありますが、さすがにおっさん一人の力ではどうにもなりません。
とはいえ、経営の面から見れば、満床を維持しなければ厳しいというのも現実です。
なんともか弱い施設ではありますが……実は、今年度に入ってから少しずつ待機者や申込者が増えてきているんです。
これは本当にありがたいことです。
ただ、その一方で、待機される方々にとっては、入所の順番が来るまでの間、ご家族の負担やご本人の生活の大変さが続くことになります。
つまり、待機者が増えることは、必ずしも“いいこと”ばかりではないという難しさもあるのです。
介護という世界に飛び込んでから、「立場が人を変える」と言われる意味が、ようやく少しずつわかってきました。
この場所、この立場だからこそ、日々の中で学ばせてもらっていることが、本当に多いです。
ちなみに。
あれやこれやと頼まれ、断れずに引き受けてきた結果、今では「肩書きコレクター」状態の施設長。
最近はカレンダーの埋まり方がいよいよ恐ろしくなってきたので、そろそろ「NO」と言える自分を目指そうと思っています。
……思ってはいるのですが、これがなかなか(笑)。